魚の煮付けの思い出

私は魚が好きで、魚料理は全般的に好きですが、魚の煮付けに関しては特別な思いがあります。
子供の頃から母親が煮付けをよく作ってくれて、それがとても美味しくて、私の舌にはしっかりとそれが記録されているからです。
洋食よりも和食を多く作ってくれた母の影響で、私も洋食よりも和食が好きな人間になったような気がします。
それがまず一つ目の特別な思いなんですが、もう一つ、魚の煮付けを特別にしている記憶があります。
それが母方の祖父の記憶です。
祖父は若い頃から病弱の祖母に代わり、料理を作っていました。
その料理はすべてが和食で、私も子供の頃、祖父の家に行った時はごちそうになっていました。
その料理すべてが美味しくて美味しくて、母親ともども「どうしてこんなに美味しくできるんだろう」と首を傾げるほどでした。
祖父の手にかかるとなぜか料理の味に深みが生まれて、なんとも言えない絶妙のバランスの味付けになるんです。
その真骨頂ともいえるものが、魚の煮付けでした。
私や母親が訪ねて行くと、祖父は必ずと言っていいほど金目鯛を使った煮付けを振舞ってくれて、それが私も母も楽しみでした。
祖父はもうこの世を去りましたが、あの味は私と母親の中で生き続けています。
そして母は祖父の味に近づくように日々研究をしていますし、私も祖父や母親の味付けに少しでも近づけるようになりたいと思っています。